スパイではありません。
第4話
・・・・・只今工場にて作業中です。青いボタンを押してください。・・・・・
入り口に掲げてあったボードのとおり、青いボタンを拓哉は押してみた。
とすぐに向うからやってきた。
「・・・ジャニーズ系・・・ 若い! 何歳? カッコイイ!・・」
「こんにちは。いらっしゃいませ。
すみませんね、事務所に誰もいなくて。」
「忙しいところすみません、コーティングのことで色々聞きたくて来ました。」
「それはそれはありがとうございます。お車は何をお乗りで・・・?」
「いやー・・・実は作業をしてもらうのではなく・・・・。」
「えっ?!」
「コーティングって一体何なのかを知りたくて・・・教えていただきたくて・・・ただそれだけで来ました・・・すみません!」
拓哉はキョウツケの姿勢から深々と頭を下げていた。
「あぁー そういう事ですか・・・ まー寒いから中へどうぞ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
事務所の中、テーブルに向かい合って座っている。
「実は私アライ電装の社員です。スパイではありません。信じて下さい。」
拓哉は必死だった。
「最近会社でもガラス系ボディーコーティングを始めたのですが何だか色々判らないことだらけで・・・同業者が社長さんの所へ来るのは気が引けましたが・・どうしても真実を知りたくて・・・」
「そうですか・・それはそれは熱心な方ですね。それで何を知りたいの?」
忙しい中突然現れた他同業者に対しても嫌がる風もなく、穏やかに接客をしてくれる社長さんに拓哉は感謝していた。
「自分でも何をどう質問してよいかよく判らないのですけど・・・とにかくコーティングは本当にいいのですか?3年も5年ももつのですか?水洗いだけでづっといつまでもピカピカなんですか?判らない事だらけです。お客さんに何て説明すればいいのでしょうか・・・社長さんは何故この商売を始めたんですか?コーティングについて本当の事を教えて下さい。」
真剣な態度で次から次と質問する拓哉にナリタ社長は関心を抱き始めていた。
つづく・・・
もう知っていると思うがこの物語はフィクションです。
« またがって出来た | トップページ | 150円で融雪剤対策! »
コメント